平成10年8月 那須豪雨
● 災害の原因となった気象現象(台風・前線)
26日から31日にかけて、前線が本州付近に停滞しました。一方、台風第4号が日本の南海上をゆっくり北上し、この間、日本の東の高気圧と台風の影響で、前線に向かって暖湿気流が流入したため、北日本から東日本にかけて断続的に大雨となりました。26日夜から27日朝にかけて、栃木県と福島県境付近を中心に豪雨となり、那須(栃木県那須町)で27日の日降水量607mm(期間降水量1,254mm)を観測するなど記録的な大雨となりました。
・期間降水量(最大)1,254mm 栃木県那須町
・雨量分布図
● 災害の概要
全国では、死者行方不明24人、負傷者55人、家屋損壊506棟、家屋浸水14,847棟の被害をもたらしました。 (*1)
栃木県北部では記録的な大雨となり、那須岳や八溝山地にはさまれた福島県と栃木県の県境付近の市町村では、大量の降水により那珂川流域の余笹川や黒川などをはじめとする多くの中小河川が氾濫し、山間部からの大量の土砂を含んだ河水が、流域の人家や田畑などに被害を与え、栃木県内では、死者行方不明7人、負傷者19人、家屋損壊129棟、家屋浸水2,848棟の被害となりました。 (*2) (*3) (*4)
那珂川下流部の各地でも、堤防のない地区や低い土地では浸水し、水戸市を中心に大水害となり、浸水面積1,726ha、家屋浸水1,011戸の被害が発生しました。 (*5) (*6)
荒川の支川新河岸川があふれ、川越市内において床上浸水1,630戸、床下浸水2,197戸の合わせて3,827戸の家屋が被害を受けました。 (*7)
江戸川流域の中川・綾瀬川流域では、浸水面積731ha、82戸の被害がありました。 (*8)
東京都内では、浸水面積1.79ha、145戸の被害がありました。 (*9)
● 被害状況
浸水面積 |
那珂川流域 1,726ha |
家屋浸水 |
(茨城県) 821 棟、(栃木県) 2,848棟 |
死者行方不明 |
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負傷者 |
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家屋損壊 |
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堤防決壊 |
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その他 |
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(参考資料)
*1 災害をもたらした気象事例<平成10年前線・台風4号
*2 1998年8月那珂川水害の被害と土地環境(防災研究データセンター 佐藤照子)
*3 那須塩原市>防災>災害の事例>平成10年8月末 北関東・南東北豪雨災害(那須水害)
*4 栃木県:栃木県河川整備計画>過去における主な災害一覧>台風4号
*5 常陸河川国道事務所>河川>防災関連情報>過去の洪水>平成10年8月洪水のあらまし>
*6 常陸河川国道事務所>環境百科那珂川>治水と利水より(写真多数あり)
*7 新河岸川改修事業の効果について
*8 江戸川河川事務所 > 河川防災情報 > 浸水想定区域図・ハザードマップなど > 平成10年8月台風4号
*9 東京都建設局>河川>過去の水害記録(平成10年)