昭和51年9月 台風・前線
● 災害の原因となった気象現象
台風17号は、13日に長崎に上陸し、その後日本海に抜けるが、四国・関東地方に停滞していた寒冷前線を刺激して、各地で大雨をもたらした。台風が長期間日本付近にあり、前線が関東から四国付近に停滞していたため、全国的に大雨となり、土砂災害や洪水が多発した。九州から中部地方にかけては、期間降水量が500~1,000mmに達し、四国地方では2,000mmに達した所もあった。東京では、77.5㎜/3日を記録している。
*「災害をもたらした気象事例<台風17号>1976年9月8~14日
● 災害の概要
関東地方における被害エリアの多くは神奈川県、東京都、埼玉県の3都県で、内水氾濫が中心で、外水氾濫は一部の小河川にとどまりました。浸水家屋数は、延24,186棟に及んでいます。荒川下流域では、浸水面積853.3ha、浸水家屋9450棟に及ぶ被害がありました。(*9)
鶴見川流域では、降水量160㎜/2日、観測流量690 m3/sを記録し、中・上流部で堤防が決壊し、周辺に越水し、家屋損壊16戸、家屋浸水約3,940棟の被害が出ました。
(*4)
相模川流域では、目久尻川などの支川で大雨による溢水・内水氾濫を起こし、1,204棟が家屋浸水の被害を受けました。
(*5)
横浜市では、最高総雨量243㎜(9日)を記録し、死傷者2人、家屋損壊35棟、家屋浸水5,764棟、がけ崩れ158箇所などの被害がありました。
(*2)
● 洪水氾濫区域
・鶴見川の反乱区域図(P14、P15)
・災害履歴図
● 被害状況
浸水面積 |
2,461ha(水害統計)(*9) |
家屋損壊 |
全壊流出10棟、半壊床上浸水6,322棟(水害統計)(*9) |
家屋浸水 |
24,186棟(半壊床上浸水含む)(水害統計)(*9) |
死者・行方不明 |
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負傷者 |
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堤防決壊 |
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その他 |
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(参考資料)
*1 「災害をもたらした気象事例<台風17号>1976年9月8~14日
*2 横浜市防災計画風水害対策編>「横浜市で発生した風水害一覧」-PDF
*3 河川整備基本方針> 鶴見川水系> 既往洪水の概要
*4 京浜河川事務所>河川の防災>災害の記録>鶴見川
*5 京浜河川事務所>河川の防災>災害の記録>相模川
*6 鶴見川水系河川整備計画(平成19年3月 国土交通省関東地方整備局 16頁、写真有り)
*7 鶴見川流域水害対策計画(平成19年3月 国土交通省関東地方整備局 14・15頁)
*8 土地履歴調査(災害履歴図・水害)昭和33年以降
*9 水害統計