昭和25年8月 台風11号

● 災害の原因となった気象現象
 8月に、2 つの台風が相次いで関東地方を襲った。高気圧が本州東方から日本海にかけて張り出していたので経路の東側で大雨が降った。一つは千葉県勝浦市付近に上陸し宇都宮から新潟にぬけた。もう一つは調子に上陸し、銚子では降水量224.5㎜/2日、最大風速21.4m/sを、内陸の宇都宮では降水量238.6㎜/2日を記録している。 (*1)

● 災害の概要
 利根川本川の鬼怒川合流点より下流部では、昭和23 年9 月(アイオン台風)、24 年9 月(キティ台風)の両洪水を越え、流域平均3日降水量151㎜、布川や佐原では、昭和24 年に改定した改修計画の計画高水流量を上回る水位となった。そのため、小貝川の堤防が決壊し利根川下流域では、浸水面積3,296ha、家屋損壊1,874棟、浸水家屋5,468棟の被害をもたらした。 (*1) (*2)
 小貝川流域では、180㎜/3日(安食地点)の雨が降り、下流部は利根川本川の逆流を受け、茨城県北相馬郡高須村(現竜ヶ崎市)地先で 7 日 1 時 15 分、約 220m にわたり堤防が決壊し、浸水面積は約 2,400haに及び、浸水家屋3,517戸の被害があった。 (*1)
 茨城県の被害は死者7名,負傷者659名,行方不明3名,家屋全壊3戸,半壊15戸,床上浸水3,932戸,床下浸水927戸,非住家被害704戸,田畑流失180町歩,橋梁流失123,堤防決壊385,がけ崩れ3,鉄道被害3であった。 (*3) (*4)

● 洪水氾濫区域(不明)

● 被害状況

 浸水面積

 利根川下流域3,296ha

 家屋損壊

 利根川下流域1,874棟、茨城県内 18戸

 家屋浸水 

 利根川下流域5,468棟、茨城県内4,859戸

 死者・行方不明

 茨城県内10人

 負傷者

 茨城県内659人

 堤防決壊

 茨城県内38箇所

 その他

 茨城県内 橋梁流失12箇所、がけ崩れ3箇所

(参考資料)
  *1 利根川水系>河川整備方針>既往洪水の概要(小貝川の被害写真掲載)
  *2 利根川下流河川事務所>利根川の概要と歴史>水防・治水の歴史>昭和25年8月洪水記録(茨城県内の被害写真掲載)
  *3 利根川水系>河川整備方針>既往洪水の概総務省消防庁>刊行物、映像データ等>地域防災計画データベース
     (茨城>22風水害対策計画編PDF P5)
  *4 茨城県>各課ホームページ>防災・危機管理課>防災グループに関する情報はコチラ>茨城県の主な風水害


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