昭和22年9月 カスリーン台風
● 災害の概要 8日マリアナ諸島付近で発生した台風は、15日未明に紀伊半島、夜半に房総半島を掠め、16日に三陸沖に抜けました。
この台風は日本に接近する前から停滞していた前線を刺激して大雨をもたらし、各河川の上流部では豪雨となり、中流部の本・支川では堤防決壊が、下流域では多くの浸水被害が発生しましたが、その中でも大きな被害につながったのは利根川の栗橋上流の堤防決壊でした。
決壊した堤防から溢れ出た濁流は数日後に東京都に達し、足立・葛飾・江戸川の各区は泥海と化しました。
この災害を踏まえ、利根川の河川改修計画が見直されました。
「日本のニュース(戦後編)」 関東大水害(カスリーン台風) NHK (洪水の動画が見られます)
● 災害の原因となった気象現象(台風に伴う高潮)典型的な「雨台風」で、秩父地方では3日間で611mmの降水量を観測しました。
・最低気圧 990.2hpa (横浜地方気象台) *石廊崎 986.3 hpa
・最大風速 16.5㎡/s (横浜地方気象台) *石廊崎 26.7㎡/s
・台風の進路図 気象庁>気象の知識>災害をもたらした気象事例(千葉県 第2章参照)
● 洪水氾濫区域
国土交通省 関東地方整備局 ホーム > 河川 > 防災 > 洪水 > カスリーン台風 > カスリーン台風の被害
国土交通省 荒川上流河川事務所 荒川上流河川事務所ホーム > 荒川を知ろう > 荒川の歴史 >昭和22年
(荒川流域の詳しい浸水状況がわかります)
● 被害状況
浸水面積 |
約440km2 (都内:114.3 km2) |
家屋浸水 |
303,160戸 |
死者行方不明 |
1,100人 |
負傷者 |
2,420人 |
家屋損壊 |
流失23,736戸 倒壊7,645戸 |
堤防決壊 |
24箇所、 総延長約5900㎡ |
その他 |
農地冠水176,789ha |
(参考資料)
○カスリーン台風の全体像(被害写真もあります。)
国土交通省 関東地方整備局> 河川 > 防災 > 洪水 > カスリーン台風
○カスリーン台風の詳しい情報(広報ぼうさい第31・32回、第3期報告書風水害)
中央防災会議 「災害教訓の継承に関する専門調査会」のページ
○カスリーン台風と利根川の状況
国土交通省 利根川下流河川事務所>水防・治水の歴史> 過去の洪水記録「昭和22年洪水記録」
○カスリーン台風と荒川の状況
荒川上流河川事務所ホーム > 荒川を知ろう > 荒川の歴史 > 昭和22年
○防災基礎講座 「災害はどこでどのように起きているか」《1947年カスリーン台風》
防災科学技術研究所 > 防災基礎講座・災害事例編 > 関東平野の洪水
○カスリーン台風60年企画展(航空写真もあります。)
防災科学技術研究所 > 自然災害情報室 > 1947年09月14日-15日 カスリーン台風