明治43年9月 東京大洪水

● 災害の概要

 8月6日ごろから梅雨前線の大雨が利根川、荒川上流域に降り続き、9日には関東各地では400ミリを超す雨量が観測されていました。
 11日、日本列島に接近した台風は、新たな台風を伴い房総半島をかすめ、前線を刺激し、各地に記録的な豪雨をもたらしました。

 この雨は東海から東北地方の広範囲に大被害をもたらし、被災規模は明治期最大となりました。
 利根川、荒川水系の本支川では各所で堤防が決壊、越水し、下流域は2週間にわたって冠水しました。
 その結果、埼玉県西部や北部で人的被害が、埼玉県南部や東京都江東区では床上浸水被害が多数発生しました。
 この洪水を契機に、明治44年に荒川下流改修計画が策定され、荒川放水路の開削が始まりました。

参考資料: 「利根川百年史」建設省関東地方建設局発行、「日本の自然災害」国会資料編纂会編
参考ホームページ:明治43年大洪水から100年キャンペーン REPORT(国土交通省荒川下流河川事務所)

● 災害の原因となった気象現象

二つの台風と低気圧の停滞に伴う集中豪雨・暴風雨
・期間降水量 流域平均3日間雨量:477mm 資料:荒川水系河川整備基本方針
・台風の進路 資料:千葉県防災誌「風水害との闘い(第1章p3)

● 洪水氾濫区域(グレー:利根川・荒川流域のおおよその氾濫区域)

(参考資料)
 ・大規模水害対策に関する専門調査会(第4回)>資料7(p8)(内閣府)
 ・ 荒川を知ろう>荒川の歴史> 明治43年(国土交通省 荒川上流河川事務所)
 ・防災誌「風水害との闘い(第1章p4)」再掲(千葉県)
 ・明治43年 荒川放水路の契機となった大洪水(国土交通省 荒川下流河川事務所)

● 被害状況

 浸水面積

 データなし

 家屋損壊

 6,597戸       *関東地方 全壊家屋2,121戸、半壊家屋2,769戸

 家屋浸水 

 518,000戸

 死者・行方不明

 1,357人        *関東地方:死者769人、行方不明78人

 負傷者

 767人

 堤防決壊

 7,063箇所、ほか、橋梁流出7,266箇所

 その他

 がけ崩れ18,799箇所


(参考資料)
   ・明治43年水害と第一次治水長期計画の策定(松浦茂樹、国際地域学研究第11号2008年3月)

● 被災地の写真紹介サイト

千葉県立房総の村 明治・大正~昭和初期の絵葉書資料にみる「災害」とその「復興」
土木学会付属土木図書館 > デジタルアーカイブス > 戦前土木絵葉書ライブラリー > 風水害編



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