トップページ > 市民防災まちづくり塾の紹介

設立の背景と目的

関東平野は沖積平野として低平地となっており、地震や洪水に極めて脆弱な地域です。

しかしここに住む住民の多くが関東大震災(大正12年)や東京大水害(明治43年)、カスリーン台風(昭和22年)の体験を忘れ、またこれらの事実を語り継ぐ者もいないのが現状です。

そこで、これらの歴史を踏まえ今迫りくる大災害に備える防災意識の啓発を、目指さなければならないと考えます。

発災時の自助力、共助力を向上させることは、犠牲者を出さない力強い地域力として実を結ぶと考えています。さらに未来を担う子供の参加しやすい取り組みが大切です。

以上のことからこれまでの災害の歴史を語り継ぎ、防災を学び市民の防災行動力を向上させることを目指して関東地域づくり協会(旧 関東建設弘済会)と共催し、「市民防災まちづくり塾」を設立しました。

市民防災まちづくり塾では次のような活動を行っています

防災講演会(水害編)
関東地方の洪水に対する脆弱性を、利根川東遷事業、荒川西遷事業にさかのぼり検証した上で、洪水の歴史を振り返り、目前にに迫る大水害の危機を学ぶ。
防災講演会(地震編)
安政地震、関東大震災など関東地方の地震を中心に、阪神淡路大震災、中越震災などを学び、今後発生するであろう大地震に備えるすべを学ぶ。
体験型学習
水害、地震を想定して、発災後の危機管理としての各個人が取り得る行動、地域住民が共同して取り組める活動などをワークショップ方式により体験する。このことにより、自助能力、共助能力の向上を目指す。上下流交流を実施し治水対策の違いを知り、それぞれの地域にあった備えの重要性を学ぶ。
被災現場見学会
キャサリン台風の栗橋決壊現場、小貝川氾濫現場、多摩川決壊現場、大正6年台風被災箇所、東京東部デルタ地域地盤沈下箇所など被災現場における、フィールドワークにより臨場感のある洪水を追検証することにより、迫りくる洪水、地震などの認識を高める。
防災関連施設における見学研修会
有明の丘基幹的広域防災拠点施設、立川防災館(立川都民防災教育センター)、防災科学技術研究所、東京都震災記念堂などを訪ね各研究施設の最新の成果を学ぶと共に自分ならどうするかを考える。子供達にも参加を促したいと考えています。
災害語り部養成講座
日常生活の中で災害を実感しこれに備える意識が希薄になっている現状を考えると、身近な人からその体験を通して災害を語り継がれていないことが原因となっていると考えられる。映像や、資料ではなく人が語る生の声が、感動を伝えられると考えています。そのような語り部を一人でも増やすことが、災害に備える住民を増やすことになると考えます。